今の世界に「意味のイノベーション」が必要な理由

意味のイノベーションとは?

「意味のイノベーション」は、イタリアのミラノ工科大学のロベルト・ベルガンティ教授が提唱している考え方です。

この考え方は課題解決型のアプローチ(自分の外部に解決すべき課題があって、それを解決するためにとる行動プロセス)ではなく、価値追及型のアプローチ(自分の内部にある個人的なフレームワークを実現するための行動プロセス)と言えます。

関連書籍と文献は?

「意味のイノベーション」は、先ほどのベルガンティ教授によって書かれた「突破するデザイン」という書籍で紹介されています。

(この書籍を監修された八重樫 文(ヤエガシ カザル)氏の論文もとても参考になります。

CiNii論文:意味のイノベーション/デザイン・ドリブン・イノベーションの研究動向に関する考察

「機関リポジトリ」をクリックして「立命館学術成果リポジトリ」サイトで無料ダウンロードできます)

「意味のイノベーション」の意味?

書籍や文献を読んでいくと「意味のイノベーション」という意味がわからなくなってしまうことも。どうやって理解すればより把握できるか…。

なので「意味のイノベーション」についてもう少し調べて、考えてみました。

そもそもの原題の(サブ)タイトルに書かれているのはmeaningful

さて、書籍「突破するデザイン」の原題のサブタイトルにはMeaningful Productsという言葉が使われています。Meaningfulには「意味のある」という意味以外に「重要なこと、価値のあること」という意味が含まれるようです。さらに意訳すれば「より本質的で大切な」くらいになりそうです。

その本質がイノベーションつまり、革新が起こる=新しくなるので

「意味のイノベーション」=「製品やサービスの本質的な解釈(意味)が変わること」と言えそうです。

具体的な事例

上記の文献にはロウソクメーカーの事例が挙げられていました。

そのほかに自分なりに考えたのは食品の例です。(厳密にベルガンティ教授の指す「意味のイノベーション」に該当するかは、わかりませんが)

食品には3大栄養素の炭水化物、たんぱく質、脂質があるので、そのフレームワークで考えてみます。

1.炭水化物が多い食品の例 → お餅

今までの解釈 ハレの正月を祝って食べるため

新しい解釈  日常で運動前に食べるエネルギーフード(カーボローディングのため)

※カーボローディング…運動前に炭水化物をあえて食べることでエネルギーを蓄積する食べ方

2.たんぱく質が多い食品の例 → カニ風味かまぼこ

今までの解釈 カニのイミテーション(模倣品)を食べるため

新しい解釈  消化の良いたんぱく質を補給するため

3.脂質の多い食品の例 → チョコレート

今までの解釈 糖分補給のため(甘いチョコ)

新しい解釈  健康のため(ハイカカオチョコ)

「意味のイノベーション」のメリットと必要な理由

これらの共通点として重要なことは、解釈を変えただけで製品はそれほど変わらず、同じ設備で高付加価値の製品がつくれる可能性が高いというメリットです。(厳密には同じ製造ラインかは保証できませんが)

普通の板チョコと同じ稼働率のラインで高付加価値なハイカカオチョコレートがつくれるとしたら、魅力的ですよね。

つまり、過度な設備投資がいらない。今のような世界的な不況にも強いアプローチと言えます。

この理由がまさに今「意味のイノベーション」が世界に必要な理由です。解釈を変えるだけなら、中小企業にもチャンスがあります。

<蛇足>ヨーロッパ資本主義(人間)vsアメリカ資本主義(機械)の構図

もともと、ヨーロッパは古いものに価値があるという考え方が主流のため、「意味のイノベーション」が戦略として生まれたのです。ものづくりと人間が混ざり合っているのです。

一方で、アメリカはITに代表されるように新しいものに価値がある考えが主流。

つまり、人間vs機械という対比の資本主義が存在します。

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